ご当地便り

隠岐の島、春の花通信。

(2011.04.04)

 健気に咲くカタクリの花 健気に咲くカタクリの花

 “隠岐は絵の島花の島”と隠岐民謡のしげさ節で唄われているとおり、隠岐は春になると、島中で色んな花が咲き乱れます。その一部をご紹介しましょう。

3月下旬~4月。まだ色の少ない早春の山に、可憐な色を添えるのがカタクリの花です。
このカタクリの茎から良質のデンプンがとれるので「カタクリ粉」と言います。
(近年、私達がお料理などでよく使う「片栗粉」というのは、ほとんどがジャガイモできたデンプン粉のことです。)

カタクリの姿を見ることができるのは、一年のうちでたった2ヶ月間だけ。雪解けとともに3月上旬頃から芽をだし、花をつけ、花が終わる5月頃には葉や茎が枯れて地上から姿を消してしまいます。

そしてまた10ヶ月間、地中で次の春に向けて栄養を蓄えます。しかも、ゆっくりと成長するカタクリは、発芽から8年後にようやく花を咲かせます。そう思うと、カタクリってなんて健気なんだろう・・・と花を見る目も変わってきます。

カタクリの花の色は、普通、赤紫ですが、ごくまれに「白いカタクリ」も咲くそうです。ちまたでは「幸運の白いカタクリ」と噂されています!私も未だかつて発見したことはありません。
今年こそ!!「白いカタクリ」を見つけて「幸運」をゲットしたいと思います!


大人気の高山植物 大人気の高山植物
オオイワカガミ

5月~6月にはオオイワカガミが薄紅色のかわいらしい花をつけます。岩場に咲いていて、葉は鏡のように光沢があるので「イワカガミ」という和名がついています。

薄紅色の花びらはレース状になっていて、その可憐な姿に心を奪われる人も多数おられるとか。(私も、初対面から心を奪われた口です。)
普通、このイワカガミは、高山に登らなければ見られない花だそうです。

しかし!!隠岐では標高600mのちょっと高い山(途中まで車で、その後徒歩30分ぐらい。)や、散歩コースの海岸沿いでも見ることができます。 わざわざ高い山に登らなくてもいいので、イワカガミファンの方は必見ですよ!!


同じく、5月~6月に咲くのが、隠岐にしかない種類のシャクナゲ。その名も「オキシャクナゲ」。
普通のシャクナゲに比べて葉が小さく、花も美しいのが特徴といわれています。
ただ、残念ながら、島後の山地に広く分布していたオキシャクナゲも乱採により、現在ではごく限られた地域にのみ生育しています。(悲しい。)

しかし!現在、島内では数多くのシャクナゲが栽培され、毎年、花が満開になる5月初旬に合わせて、“しゃくなげ祭”が開催されています!!
約一万本のシャクナゲが植えられている「村上家隠岐しゃくなげ園」に一歩足を踏み入れると、そこは鮮やかなピンク色の花が咲き誇り、まるで別世界のようです。

満開のしゃくなげ園は別世界 満開のしゃくなげ園は別世界

他にも、知夫里島の赤ハゲ山は、4月上旬から、野大根の花で覆われます。足元に広がる薄紫の花畑。

花畑の先には、青い空と海の大パノラマ。夢見る乙女(女の人は幾つになっても、心は夢見る乙女のハズ)なら一度は憧れるシチュエーションじゃないですか?!
鼻歌を唄いだしてしまうこと間違いなしです。

今回ご紹介したのは、隠岐の花のほんの、ほ~んの一部です。隠岐にはまだまだ珍しい花がたくさんあります。

みなさん、グズグズしていると、見逃してしまいますよ!!
隠岐は絵の島花の島。ご自身の目で確かめてください!!
(隠岐の島は、大山隠岐国立公園です。公園内での植物採取は法律で禁止されています。)

ライター:澤井 藍


古の文化を伝える隠岐国分寺蓮華会舞

(2011.04.04)

「 眠り仏之舞」二人のカワイイ仏が相撲をとっているところ。「 眠り仏之舞」二人のカワイイ仏が相撲をとっているところ。

隠岐が世界に誇る!!と言っても過言ではない古典芸能、
国指定重要無形民俗文化財「隠岐国分寺蓮華会舞(おきこくぶんじれんげえまい)」をご紹介します。

隠岐国分寺蓮華会舞は、奈良時代に大陸より伝来した宮廷舞楽の流れを汲み、隠岐の島には平安時代に伝えられました。
古代の宗教儀式を色濃く残し、インド、中国、朝鮮半島など、アジア各地の舞踊が取り入れられていると考えられています。

異国の雰囲気が漂う色鮮やかな面や衣裳を付けて、弘法大師の命日である4月21日(旧暦3月21日)に7演目が演じられます。
舞を奉納する全員で行列を作って舞場へ入る「行道」は顔見せ的な役割です。

「①眠り仏之舞」は、二人の子どもが仏の面を被って登場します。居眠りをしている仏のお尻を獅子が噛んで起こすと、二人の仏があわてて相撲をとるという舞です。

大人気の高山植物 「麦焼き之舞」翁の動きが
ユーモラスです。

次の「②獅子之舞」に出てくる獅子は、インドネシアのバロンダンスに登場する獅子に似て、頭に角が一本あり、耳が立っています。

「③太平楽之舞」は、四人の少年が鳥甲を被り、腰に刀を差して舞う日本風の舞です。

「④麦焼き之舞」は、男の子が黒い翁の面をつけて腰を曲げながら、農作業の様子を表すユーモラスな舞。

そして、田楽風の「⑤山神・貴徳之舞」と続きます。

この蓮華会舞でもっとも人気の高いのが、「⑥龍王之舞」です。「龍王」は「陵王」ともいい、中国・南北朝時代の蘭陵王のことだとされています。

「龍王之舞」衣裳も動きもカッコイイです★「龍王之舞」衣裳も動きも
カッコイイです★

蘭陵王は美しい声と優れた美貌の持ち主でしたが、戦いで兵士達が見惚れて士気があがらないので、必ず獰猛な仮面をかぶって出陣したそうです。

美しく力強い蘭陵王を彷彿とさせる、勇壮な舞です。優美な衣装で静かに舞う「⑦仏之舞」の後、最後に、全員で列を作って舞場を周る「入れ舞」で退場し、奉納が終了します。


蓮華会舞は1000年の歴史の間、天災や廃仏毀釈などによる存続の危機を乗り越えて今に伝えられてきました。

近年では、平成19年2月に起きた隠岐国分寺の火災で演舞の道具の全てが失われましたが、蓮華会舞に携わる人々の強い想いと努力により、
一年後には復興の舞が奉納され、次世代へと伝承されています。


隠岐国分寺で奉納されます。 隠岐国分寺で奉納されます。


古の大陸文化が偲ばれる貴重な舞であり、多くの人の想いが込められた隠岐国分寺蓮華会舞。

4月21日に隠岐国分寺でご覧いただけます。詳しくは、下記までお問い合わせください。

隠岐の島町観光協会:Tel 08512-2-0787

ライター:澤井 藍


隠岐の妖怪その六~天吊るし~

(2011.04.04)

天吊るしチャン天吊るしチャン

妖怪シリーズも第六回目を迎えました。

今回は「天吊るし」チャン。
“チャン”をつけて呼びたくなる、なんとも愛くるしい?妖怪です。

しかしなんといってもこの妖怪、大変恐ろしい・・・・・・ことはありません。
ただ、天井から下りてくるだけ。何もしません。

目玉おやじ曰く、「何もしないといっても、びっくりするがのう。」だそうです。

この天吊るしチャンのブロンズ像を撫でると子供が好きになる効能があるそうですよ。

私にピッタリ★でも、この間撫でたのに、あんまり効いてないような気もしますが。
天吊るしチャンは、衣料・雑貨ショップ『山下』の前にあります。
お店の中も素敵なので、覗いてみてください♪

ライター:澤井 藍

観光に関するお問い合わせ先

  • 隠岐観光協会 08512-2-1577
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