ご当地便り

冬の王様!知られざるブランドガニ『隠岐ガニ』

(2010.12.02)

山陰の冬の味覚の代表といえば、いわずと知れた松葉ガニ!!

松葉ガニとは、山陰・日本海で11月~3月にかけて捕獲・水揚げされたズワイガニのことを指します。そしてこの松葉ガニのほとんどが隠岐近海で獲られています。

ブランドタグブランドガニの証、隠岐独自の青いタグ。(イメージ)

隠岐近海は、プランクトンが豊富で最高の漁礁があります。この贅沢過ぎるほどの環境で、カニは質の良い魚介類を食べて育ちます。なおかつ乱獲防止・資源保護のため、禁漁期間で、美味しく成長する時間を与えられます。松葉ガニ特有の甘味と濃厚な味は、こうして生み出されているのです。

冬の荒波の中、漁師が命懸けで獲ったカニは港で選別され、厳しい品質チェックを受け、合格したカニだけにタグが付けられます。そして活きたまま、もしくは茹でた状態で冷凍処理されずに流通するが松葉ガニなのです。

と、ここまでご紹介した松葉ガニも一級品ではありますが、その上をいく超一級品が『隠岐松葉ガニ』そして『隠岐ガニ』なのです!隠岐の漁師(しかも7つの船団のみ)だけに許された独特の漁法=カニかご漁で捕獲した松葉ガニを『隠岐松葉ガニ』と呼びます。


カニかご(イメージ) カニかご漁に使われる籠。(イメージ )
カニの身を傷つけず水揚げします。

カニかご漁とは、海の底に餌を入れたカゴを沈め、そこにカニが入ってくるのを待つという原始的な漁法です。活きたままの無傷のカニを水揚げできるので、身が痛むことも少なく、すなわち鮮度を保った状態で捕獲することができるのです。

隠岐以外で行われる一般的な底引き網漁では、海底にいるカニをごっそり網でとりますので、どうしても甲羅の中に砂が混じり、カニ味噌の味を損ねたり、足が取れてしまったりします。

しかしカニかご漁で獲った『隠岐松葉ガニ』にはほとんど砂が混じらず、又足も取れることは少ないため、絶品のカニ味噌を楽しめるというわけなのです。


カニ立派な殻の中には、濃厚な身と味噌がたっぷり!(イメージ)

そして、カニかご漁の解禁は松葉ガニ比べ2週間ほど遅く、漁の終わりも2月末までと通常より期間が短くなっています。実質3ヶ月間しか漁ができないため、希少価値も高く、島民もなかなかお目にかかれない(口に入ってこない!?)“幻のブランドガニ”ともいえるわけです。

さらに『隠岐松葉ガニ』の中でも、特に甲羅が大きく最終脱皮が済んだ900g以上のものを『隠岐ガニ』と呼び、極上の逸品とされています。
最終脱皮を終えた『隠岐ガニ』の爪の先は黄金色をしていて、「王様」と呼ぶにふさわしい堂々たる姿!身の旨さは今まで食べたカニの中で一番美味しく、何より味が濃い! たっぷり1kg近くありますので、半身でもおなかがいっぱいになるほど。

刺身のとろける甘さ、焼きの香ばしさ、茹でのぷりぷりは、どれも口から全身へと幸せを運んでくれるよう。
そして、カニ味噌は前途の通り、言うまでもありません。命をいただくために手間ひま掛けたからこそ味わえる至極の味! ただ、幻のカニだけあって私が口にしたのは4年前。
今年は、カニが豊漁とのウワサ!自分へのご褒美に、思い切って『隠岐ガニ』を食べちゃおうかしら。

ライター:曽我部 さおり


知夫村を歩こ~♪歩こ~♪

(2010.12.02)

隠岐諸島の地図隠岐諸島の地図

 隠岐には人が住んでいる島が四つあります。一番大きな島が島後・隠岐の島町、そして島前が中之島・海士町、西ノ島・西ノ島町、知夫里島・知夫村です。島ごとに文化・生活習慣・方言・自然環境などが違って、同じ隠岐の中に住んでいても、違う島へ渡ることでちょっとした旅行気分を味わえちゃいます♪  秋も深まった天気のいい日、みんなで知夫里島へいくことになりました。島を歩いて半周する、トレッキングコースに初挑戦です。せっかくなので、より地元に密着した楽しい旅にするため、「隠岐自然村」の“そんちょう”深谷さんにネイチャーガイドをお願いして、いざ知夫里島探検に出発!!

深谷さん優しい笑顔の深谷さんは極真空手の達人!!
しかも調理師免許も持ってます☆

スタートは知夫村の玄関口、来居の港。そこから20分ほど歩くと、道端にたくさんドングリがころがっています。
深谷さん:「これはスダジイという木の実。食べられるドングリです。炒って食べるとオイシイよ~後でおやつにしようね。」
でも、ドングリってシイの実以外もクヌギとかナラとか色々あるけど、全部“ドングリ”って呼ぶのはなんでだろう?
深谷さん:「色んな説があるけど、栗のように実が食べられない・役に立たないから、鈍な栗で“ドングリ”と呼ばれるようになったっていう説があるんだ。」
なるほど~今はほとんど木の実なんて食べないけど、昔は木の実も大事な食糧だったから、甘くておいしい栗と、そうでないものを区別する呼び方ができたのかなぁ。
深谷さん:「ちょっと地面をよ~く見てみましょう。この辺りはたくさんシイの実が落ちているのに、全然芽が出てなよね?シイの実や他のドングリは、地面に落ちただけじゃ芽は出てこないんです。ドングリを食べるネズミやリスに土に埋めてられて、食べ残されたものがたまたま芽を出したものです。だから、どんなにたくさん実をつけても、芽がでるドングリはすごく少ないんです。ドングリの木は、その他の生き物たちに食べられるために実をつけるようなものなんですね。そう考えたらドングリの木はイイヤツだなぁって思うんですよね。」

一宮(いっくう)神社海を見下ろす一宮(いっくう)神社で
お弁当を食べました。

確かに。地球上の色んな生き物達は、なんでも持ちつ持たれつ生きてるんだ。  また、1時間ほど歩くと♪キーンコーンカーンコーン♪島に正午を知らせるチャイムが鳴り響きます。そろそろお弁当の時間だ!海を望める一宮(いっくう)神社の境内へお邪魔して、“チュウハン”(隠岐弁でお昼ご飯のこと)をいただくことにします。 天気もいいし、海がキラキラして気持ちイイ~。チュウハンが終われば、トレッキング再開です。まだまだ道のりは長い!今度はグネグネとした山道を登っていきます。両脇は紅葉した木々や秋の草花でいっぱいです。

深谷さん:「この葉っぱ。なんの葉っぱかわかるかる人~?みんなよく知ってる植物です。」
んん~なんだ?どこにでもありそうな普通の葉っぱだけど・・・
深谷さん:「ヒントは、春になると山菜としてお煮しめなんかにでてくるよね。クルクルっと先が渦巻いる・・・」
わかった!ゼンマイ!!春の姿しか知らなかった~とみんなびっくり!


ぜんまいゼンマイ飛行機が大のお気に入り☆

深谷さん:「実はこのゼンマイ、飛行機が作れるんです。
(シャキーンとハサミを取り出す)間の葉っぱの枝を切って、先っぽに重しを付けてあげれば飛行機の完成。うまく飛ぶかな~?」
深谷さんの手から離れたゼンマイ飛行機は地上1mフワァ~っと優雅に飛び、無事着地。ちゃんと飛んだ!!


シイの実一つ食べたら止まらない!
クセになるシイの実の味

トレッキングも終盤に差し掛かると、普段は車に頼って使わなくなった両足がダルオモ~くなってきた・・・それでも、綺麗な紅葉を見たり鳥の声を聞きながら“地に足をつけて”歩くと、体はしんどいのに心は晴れ晴れとした清々しい気持ちになります。途中休憩では、深谷さんが持ってきて下さった特製の「ふくぎ茶」(クロモジのお茶)と、さっきの採ったシイの実をその場で炒ってティータイム。炒りたてのシイの実は、ホクっとして優しい甘さが口に広がります。

深谷さん:「あともう少し!頂上の眺めは最高ですよ!頑張りましょう!!」 山道を抜けると、次は牧草地の中を歩きます。そこかしこに草を食べているたくさんの牛牛牛牛・・・牛さんを刺激しないように、そろ~っと真横抜けながらさらに歩くこと30分。目指していた赤ハゲ山の頂上に4時間半かけてついに到着。赤ハゲ山の山頂からは、いつにも増して美しい隠岐の島々と青い海が広がっていました。たくさんの発見と驚き、感動が貰えた知夫村旅行でした。

今回ご一緒させていただいたネイチャーガイドの深谷さんの手にかかれば、今まで全部同じに見えていた木や虫も、それぞれに違った個性と顔が見えてきます。生き物に一つ一つにストーリーがあり、自然界を生き抜いてきた知恵が凝縮されているのだと実感します。
深谷さんが代表を務める隠岐自然村では、こうした自然との遊びのなかで、驚きや喜びを感じ、自然に親しむ心や自然への理解深めるための活動をおこなっておられます。また、隠岐独特の自然・歴史・文化が開発等によって失われることのないよう、隠岐の自然が未来に残されることを目指して、エコツアーも行っています。

近頃は、“地球にやさしい”とか“エコ”という言葉が多く聞こえるようになってきました。なんで“地球にやさしく”しなくちゃいけないのか?“エコ”ってなんなのか?頭ではわかっていても、心で感じてますか?
未来に残したいものを隠岐へ見つけにきてください。

隠岐自然村の詳しい情報はこちらから→→http://www.sizenmura.com/


赤ハゲ山赤ハゲ山の頂上はすぐそこ!!

ライター:澤井 藍

観光に関するお問い合わせ先

  • 隠岐観光協会 08512-2-1577
▲このページのTOPへ

隠岐 ご当地便り トピックス

(2011.08.08)

No キンニャモニャ, No 海士ライフNEW

シャーラ船を海の彼方へNEW

隠岐の妖怪その九~さざえ鬼~NEW

(2011.07.20)

古を感じる夏の一夜

あご

隠岐の妖怪その九~アマビエ~

(2011.06.06)

隠岐の島ウルトラマラソン

ホタル飛び交う隠岐の島

隠岐の妖怪その八~セコ~

(2011.05.17)

御霊会風流

隠岐の妖怪その七~ちょうちんお化け~

(2011.04.04)

隠岐の島、春の花通信。

古の文化を伝える隠岐国分寺蓮華会舞

隠岐の妖怪その六~天吊るし~

(2011.03.04)

岩ガキは“海のチーズ”

春を告げる、隠岐いぐり凧

隠岐の妖怪その五~五体面~

(2011.02.03)

トコトコに乗ってドコイコ?~島前・海士町特集その1~

全国ご当地どんぶり選手権で大人気!寒シマメ漬け丼~島前・海士町特集その2~

海士の怪談?~島前・海士町特集その3~

(2011.01.07)

Soul Food隠岐そば

正月明けは、「今津のとんど」

隠岐の妖怪その四 琵琶ぼくぼくの巻

(2010.12.02)

冬の王様!
知られざるブランドガニ 『隠岐ガニ』

知夫村を歩こ~♪歩こ~♪

(2010.11.08)

激戦!ご当地グルメグランプリ☆

火の鳥と渓谷の宝石

隠岐の妖怪その三 かっぱの巻

(2010.10.05)

ハイキングに行こう!

日本酒の秋

謎の穴 ~妖怪シリーズ 第2弾~

(2010.09.01)

アキ・オキ~食オキの秋~

白イカが旬です♪

隠岐の港に鬼太郎親子とねずみ男があらわれた!