(2011.01.07)
新年明けましておめでとうございます。
今年も、隠岐の旬な情報をネホリハホリお届けできればと思っていますので、よろしくお願い致します m(_ _)m
ところで、みなさまは、大晦日に「年越しそば」を召しあがりましたか??
やっぱり、日本人としては「年越しそば」を食べないと年が越せませんよね?
もちろん、隠岐の島でも大晦日には年越しそばをいただきます。
が、隠岐で食べるのは「年越し“隠岐そば”」です。
関西出身の私は、お正月にいつも里帰りをするのですが・・・
大晦日に隠岐そばを食べてからでないと帰省できない!!というくらい隠岐そばが大好きです♪
隠岐そばは、隠岐のSoul Food。(イメージ)
この“隠岐そば”、普通の蕎麦とはちょっと違います。
普通の蕎麦は、そば粉の他に小麦粉をつなぎとして入れますが、“隠岐そば”はつなぎを一切使用せずにそば粉100%と水だけで打つ「十割蕎麦」です。
そばつゆも特徴があって、焼いた鯖の身をほぐして出汁をとり、醤油・酒・みりんなどで少し濃いめに味付けして鯖の身ごとだしをかけて食べます。
出汁を少なめにかけて、かき込むよう豪快に食べるのが隠岐流。100%そば粉の強い香りと、ともすれば生臭くなりがちな鯖出汁が、絶妙にマッチ!
そこに薬味として添える隠岐産の岩海苔・ゴマの香りと、さわやかな柚子の風味がアクセント☆
私は所要時間、約3分で食べ終わってしまいます。
この道○十年のそば打ち名人が10kgのそば粉と格闘中。(イメージ)
昨年、年の瀬もせまったある日、友人から「こんど、近所の集会所でそば打ちやるけん、一緒にいかーや」とのお誘いがありました。
隠岐そばLOVEの私に断る理由などありませんので、二つ返事で人生初のソバ打ちにチャレンジしました!!
写真のタライに入ったソバ粉は約10kg。まずは、この道○十年のそば打ちの名人が、100%ソバ粉に少量ずつ水を加えながら捏ねます。
ある程度固まりになったら1kgずつの塊に分けて、さらに水を加えながら各自ボールのなかで捏ねます。全体重を両手にかけ、一生懸命ひたすら捏ねます。
5分も捏ねると腕が痛くなってきました。もうそろそろOKでは?と思い、手慣れた感じの男の子にチェックして頂くと・・・「まだちょっとかたいな。」とのご指摘を受けてしまいました。
がっくり。もうちょっとがんばろう!ということで、コネコネコネコネ・・・・
と30分ほど捏ねてようやく名人にOKをもらって、いよいよ生地を伸ばす行程に突入です。
半畳はあろうかという大きな木の板に打ち粉をしてから長い麺棒で丁寧に生地を伸ばします。
1cmくらいの厚さになったら、麺棒にソバの生地を巻きつけてさらに体重をかけながら伸ばします。
破れないように、且つ均一に伸ばすのはすごーく神経を使います。
ところどころ破れながらもやっと厚さ1mm程度になるまで伸ばしたら、慎重に生地をたたんで出来上がり。
最後はソバを切っていくという行程で、これまた難しいので今回は名人にお任せしました。
鋭い眼光で生地を伸ばす隠岐そば打ち界のホープ☆目指せ名人!!(イメージ)
半日かけて総勢50人で300食のそばを打つというなかなかの重労働を終え、打ちたての隠岐そばをその場でいただきました♪
味は言うまでもなく絶品☆★
(そうだ!隠岐そば完成品の写真!と思った時にはすでに完食した後でした・・・)
ここで出来た隠岐そばは、翌日、島に住む一人暮らしのお年寄りに届けられました。
“隠岐そば”は昔から冠婚葬祭の場面でも食べられてきたものです。
隠岐では人と人とのつながりが濃く、冠婚葬祭(特にお祭りなど)では親戚・友人・ご近所さんなど大勢の人が入れ替わり立ち替わり家を訪れます。
そういった場で欠かせないのが“隠岐そば”です。
また、そばの生育期間は60日~80日と大変短いため、離島という厳しい自然環境の中でも「手間のかからない作物」として昔から重宝されてきました。
出汁に使われる鯖も、隠岐近海でとれるので時化る日が多い冬の時期でも、獲れるものです。
―与えられし島の恵みで長寿を願う―そんな謙虚な島の先人たちの想いとともに、遠い昔から隠岐の地で受け継がれてきた歴史の味。
“隠岐そば”は、まさに隠岐の人々のSoul Foodです。是非みなさんもご自身の舌で味わってみてください。
打ちたて、茹でたての隠岐そば。おいしそ~~~~
|