ご当地便り

御霊会風流

(2011.05.17)

銀行に入る神馬 銀行に入る神馬

来月、6月5日は、私が毎年楽しみにしている「御霊会風流(ごれえふりゅう)」の日です。
これは、隠岐・島後の三大祭りの一つで、旧西郷町にある神社の神様を全部集めてお祀りしている、隠岐・島後の総社・玉若酢命神社で行われます。

風流は“ふう(・)りゅう”ではなく“ふ(・)り(・)ゅ(・)う(・)”と読みます。
辞書で調べてみると、“ふう(・)りゅう”も“ふりゅう(・・・・)”意味は同じで、
≪おちついた優雅な趣のあること。みやびやかなこと。≫だそうですが、
この「御霊会風流」はおちついた優雅な趣とはまったく逆、
雄壮・豪勇 
と言う言葉がぴったりの祭りです。


ビールをいただいてます。ビールをいただいてます。

この日、島後の八つの地区から、各地区の神様を載せた神馬と
馬付(うまづき)と呼ばれる屈強な男達が、裃に白鉢巻、手甲、脚絆、
白足袋、草鞋に身を包み、神馬を率いて玉若酢命神社に向かいます。

神社までの道中、神馬と馬付達は、地区の中を練り歩きます。

神馬はその名の通り、神様の馬ですので、とっても縁起が良い!!
ということで、町の人々からも引っ張りだこです。
道中にある店や、ホテル、レストラン、銀行の中に入り、そこで、
馬付達も神馬も酒や食事を振る舞われます。


ただし、神馬はこの日は神様ですので、むやみに近づいたり、触ったり、通り道に入り込むなどの
行為はやめましょう。

危ない!!危険と隣り合わせの馬付危ない!!危険と隣り合わせの馬付

馬付は、馬の首の左右に二人、胴体の左右に二人、旗をもって馬をとめる人が前に一人、馬の後ろについて尻尾を引っ張って止めたり、竹でお尻をたたいする人が一人の、計六人です。

馬付達は、200mほどの距離を馬と一緒に全速力で走ります。
もちろん、大きな馬と人が密着して全速力で走ることには、危険が伴います。
途中で馬に振り落とされてしまい、大けがを負うこともしばしばあります。

神社の境内を一気に駆け上がります神社の境内を一気に駆け上がります

特に一番危険を伴うのは、玉若酢命神社の参道を駆け上がる場面です。

しかし、それが、この御霊風流の最大の見せ場であり、このお祭りが“馬入れ神事”と呼ばれる所以です。

八つの地区の神馬すべてが神社に揃い、準備が整うと、いよいよ馬入れ神事の始まりです。

神馬と人が一体となる瞬感神馬と人が一体となる瞬感

神馬と馬付達は、神社の鳥居から、幅2mもない隋神門をくぐり抜け、石段を一気に駆け上がっていきます。

参道自体も幅が狭いうえ、参道の両脇には島中から観客が大勢つめかけているので、失敗は絶対に許されません。

その場に厳かな空気がただよい、観客も固唾をのんで見守ります。

一番の神馬が走り始めると、間髪いれずに次々と残り七頭が参道を駆け上がります。

神馬と人が一体となり、駆け抜ける姿は、見る人を圧倒します。

神社では、馬入れ神事の後、続いて御旅所までの巡幸が始まります。
お旅所に着くと、宮人という翁、姥、嫡息役の小学生三人が田植え式を行います。

流鏑馬もカッコいい!!流鏑馬もカッコいい!!

三人は、杉の葉を稲に見立てて田植えを行うような所作をします。
この御霊風流は、稲作の仕事が本格的に始まる時期に行われているので、田畑にいる悪霊を祓い清めて、豊作を祈る祭事の要素があったと考えられています。

“お祭り”と言えば、みなさまどんなものを想像されるでしょうか?
今日では、 “祭り”という言葉をイベントとして使うことも多くなりました。

なので、そもそも、“祭り”が神に祈りを捧げる神事であるということ、私は、隠岐に来て初めて知りました。

“風流”という言葉には≪先人が残した美風≫という意味もあるそうです。

島の人々が祭りに懸ける情熱を間近でみると、先人達が後世に伝え続けてきた美しい祭りは、
間違いなくこれから先も受け継がれていくだろうと感じます。

ライター:澤井 藍


隠岐の妖怪その七~ちょうちんお化け~

(2011.05.17)

笑顔が素敵なチョウチンお化け笑顔が素敵なチョウチンお化け

今回ご紹介する妖怪は、きっとどなたでもご存じのハズ!
「ちょうちんお化け」です。見たことありますよね?

昔は、今のように外灯などはありません。
夜道は暗くて、静か。
もちろん、懐中電灯なんかもありませんので、
夜、出歩くためには提灯が必需品だったわけです。

提灯一つで出かけるのは、とっても心細かったんではないでしょうか・・・・

灯りが風にユラユラ~ユラユラ~とゆらめいて、提灯の炎が・・・・消えてしまう・・・・

そんなとき!提灯に羽が生えてバタバタ飛び、大きな口を開けて笑い始める!
そうなると、ビックリして腰が抜けて、もう笑うしかないかもしれないですね。
この隠岐の「ちょうちんお化け」は触ると笑顔が素敵になるそうですよ♪
「ちょうちんお化け」は銚子ダムにいるので、見に行ってみてください☆

ライター:澤井 藍

観光に関するお問い合わせ先

  • 隠岐観光協会 08512-2-1577
▲このページのTOPへ

隠岐 ご当地便り トピックス

(2011.08.08)

No キンニャモニャ, No 海士ライフNEW

シャーラ船を海の彼方へNEW

隠岐の妖怪その九~さざえ鬼~NEW

(2011.07.20)

古を感じる夏の一夜

あご

隠岐の妖怪その九~アマビエ~

(2011.06.06)

隠岐の島ウルトラマラソン

ホタル飛び交う隠岐の島

隠岐の妖怪その八~セコ~

(2011.05.17)

御霊会風流

隠岐の妖怪その七~ちょうちんお化け~

(2011.04.04)

隠岐の島、春の花通信。

古の文化を伝える隠岐国分寺蓮華会舞

隠岐の妖怪その六~天吊るし~

(2011.03.04)

岩ガキは“海のチーズ”

春を告げる、隠岐いぐり凧

隠岐の妖怪その五~五体面~

(2011.02.03)

トコトコに乗ってドコイコ?~島前・海士町特集その1~

全国ご当地どんぶり選手権で大人気!寒シマメ漬け丼~島前・海士町特集その2~

海士の怪談?~島前・海士町特集その3~

(2011.01.07)

Soul Food隠岐そば

正月明けは、「今津のとんど」

隠岐の妖怪その四 琵琶ぼくぼくの巻

(2010.12.02)

冬の王様!
知られざるブランドガニ 『隠岐ガニ』

知夫村を歩こ~♪歩こ~♪

(2010.11.08)

激戦!ご当地グルメグランプリ☆

火の鳥と渓谷の宝石

隠岐の妖怪その三 かっぱの巻

(2010.10.05)

ハイキングに行こう!

日本酒の秋

謎の穴 ~妖怪シリーズ 第2弾~

(2010.09.01)

アキ・オキ~食オキの秋~

白イカが旬です♪

隠岐の港に鬼太郎親子とねずみ男があらわれた!